Interop Tokyo 2010

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###	出張報告:Interop Tokyo 2010	###

【会議名】Interop Tokyo 2010
【日 時】2010年6月9日(水)〜 6月11日(金)	*会議自体は6/7より開催
【場 所】幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬 2-1)
【U R L 】http://www.interop.jp/index.html
【主  催】Interop Tokyo 2010 実行委員会
【報告者】江藤研究員

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6月9日(水)−基調講演/特別講演		(K:基調講演, S:特別講演)
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■K-01「クラウド、巨大データセンタ、そして、スマートグリッド」
    <講師:村上 憲郎  グーグル株式会社  名誉会長>
    (10:30-11:50)	<参加者:700~800名>
[概要]
     Googleが何を、どのようにして、何故そうしているか? を創業以来の
   紹介から話を始める。「世界中の情報を整理して、世界中の人がアクセス
     できて、使えるようにすること。それを無料で提供する」のミッション
     ステートメントを実現すべく、機能提供の必要性から手作りサーバでサー
     ビスを提供し続けているという。近年のデータ増加に伴うコスト削減の為、
   コンテナ型サーバ(ウェアハウススケールコンピュータ)でサーバ群を構築
     し、さらにエコ対策の為、化石エネルギーから、再生可能エネルギーへの
     取組みを行っている。さらに、エネルギーの効率的運用と全体の電力需要
   増停止を実現の為に、Smart Gridが必要と説く。日本では、電力会社により、
   系統系グリッドが整備済みであり、欧米型のSmart Gridは不要であるが、
     電力の地産地消実現の為、コミュニティグリッド整備が必要と主張する。
     しかし、法整備の不透明性により新サービス提供が容易でない閉鎖性に、
     世界トレンドからの遅れへの警鐘を鳴らす。

[所感]
   a)淡々をした語り口ながら、論旨を主張は明確で判り易い講演であった。
     グーグルのビジネスモデルは広告収入であり、データ所有やコンテンツ
   独占の意図はなく、急増するデータ管理の為にデータセンターを効率的
   かつ低コストで実現する為に、データセンタ、クラウド技術、スマート
   グリッドがある、とは無理なく理解できる。日本の電力網のSmart Grid
     は実現済みで系統系へは不要との認識にも共感を感じた。横浜開港150年
   になぞらえ、「Googleは黒船に例えられるが日本の為に貢献したい」のが
     事実ならば、米資本でも投入して日本を活性化してもらいたい、と感じた。
     気になったのは、Power Meterを試行しようにも、日本の法体系が整備され
     ておらず、制限となる法律群の対象・監督官庁にも不明で、物事が進まな
   いという話である。しかし、最近の記事*によれば、日本政府も対応を始め
     ているようであり、そこまで酷い状況ではないと考える。しかし、今後の
     対応によっては、"携帯"における官僚不況や「ガラケー化」するかもしれ
   ない、と思った。
  *:「電力計開放で自由化狙う」
   ref. http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100528/214659/


■K-02「キャリアから見たクラウドの意義」
      <講師:海野 忍 NTTコミュニケーションズ株式会社
              代表取締役副社長 法人事業本部長>
     (11:33-12:15)	<参加者:700~800名>
[概要]
     クラウド誕生の背景と意義を、コンピュータの利用形態(中央集権モデル、
   サーバクライアント、シンクライアント)及び所有から利用への時代の
   流れと併せて説明する。現在、企業におけるICT活用はルーティンワーク
   対ブレーンワークへ二極化しており、守り(ルーティンワーク)と攻めの
   一部はコモディティ化されたICTのクラウドへアウトソーシングし、
     攻め(ブレーンワーク)こそインソースで繰り返して投資する戦略的ICTの
     考えが重要と主張する。また、クラウド特有の「データが手元にない」
   ことへのセキュリティ不安に対しては、所有から利用及びComputerの
     utility化への意識改革と、技術的対策としての仮想NWジェネレータと
   地理的対策として国内/グローバル広域分散を提案。上記、仮想NWジェ
   ネレータとは、Internet経由でアクセス時、VPNで正規ユーザにのみ正規
     接続手順を提供し、認証とアクセス制御をする技術という。
     まとめとして、ネットビジネスにおいて、調達・システム等はクラウド
   利用で従来できることを効率化し、企業は、よりよい商品、サービス開発
     等の従来できなかったことへこそ、注力する戦略的ICTの必要性を強調する。

[所感]
   b)陽気な語り口と事例を交えた話で引きこまれ、前半の教科書的な内容も
     あまり退屈せずに聞くことができた。NTTの宣伝的な内容は少なく、全てを
     クラウド化するのではなく、ルーティンワークが対象で、ブレーンワーク
    はインソースで、というビジネスライクな提案は経営者的視点を感じる。
     クラウド事業者選定には、信頼の重要性と米パトリオット法を例に、
   データに対する政府機関の捜査権等への注意が指摘されたが、NTTCom社が
   世界5拠点(日、米、欧、香港、シンガポール)に配置しているデータ
     センターにおいては、どのように考慮されているか、もう一歩踏み込んだ
   話がなかったのは残念であった。ここ数年、日本企業の投資は米国と比較
   して攻めよりも守りの投資割合が高いそうであるが、講師の話では、
     一般的投資傾向(ICT特有ではない)として、今年は攻めの傾向にあるという
     ことなので、本講演論旨のクラウド化で浮いたコストで攻め、を期待したい。


■S-05「ケータイからテレビへ。HTML5がもたらす変化とW3C。」
      <講師:夏野 剛  慶應義塾大学大学院
                        政策メディア研究科 特別招聘教授>
     (17:00-17:50)	<参加者:約400名>
[概要]
   W3Cのボードメンバとして、国際標準とインターネットの話を中心とする。
     WebOnTVに関連して、HTML5の重要性とガラパゴス携帯化しないようにと、
     まず、携帯の歴史とビジネスモデルの変化を振り返る。
     (この内容は同講師による、第7回 情報セキュリティEXPO の講演参照)
      ref. http://www.isit.or.jp/lab2/semi/2010/IS-EXPO_100517/index.htm)
     ウェブ機能を高度化したHTML5により、Web Storage, Web Stocks, 
     Web Workersが可能となる。インターネット発でTVと通信へ情報が流れる
   ことが可能となり、放送コンテンツとWebコンテンツの垣根がなくなり
   つつある。よって、HTML5を製品(ex. WebOnTV)等にどう取り込んでいく
     かが重要と説く。また、W3Cの世界3拠点の一つは慶応大SFC研究所にあり、
     村井教授をはじめとする日本のインターネット技術が認められている
     証であり、標準化活動の動向把握及び活動参加の為、日本企業はもっと
     利用することを考えて貰いたい、日本企業の貢献ポテンシャルはまだ高
   い、標準化でも貢献を、と強く提案されていた。

[所感]
   c)5月の情報セキュリティEXPO.同様、ユーモアを交えつつ判りやすい
   講演、但し、前半のガラケーの話は5月の資料にほぼ同内容であった。
   携帯に関しては先にサービス提供の実績を主張していたが、
     WebonTVにおいては、インターネットとの親和性を考えてHTML5を
     以下に早く取り込むか、アプリを以下に作りこむかが重要であると
     繰り返し主張されていた。TVは日本の物づくりの象徴的存在との認識
     には同意するが、オープンプラットフォームならば、外国メーカー
     においても条件は同じである。作りこみの内容と実現性がより重要に
   なるのではと考える。


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6月10日(木)−基調講演/特別講演		(K:基調講演, S:特別講演)
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■K-04「クラウド コンピューティングに向けた企業ネットワーキング変革への道」
    <講師:ジョン・マックール Cisco Systems, Inc.
	   Data Center, Switching and Services Group
	   Senior Vice President / General Manager>
    (10:30-11:15)	   <参加者:約600名>
[概要]
   次世代ネットワークには、ユビキタス、シームレス、リアルタイム、回復
   力、ワイヤレス、セキュリティ等の機能が求められるとし、データセンタ
     から始まる、ボーダレスネットワークのコンセプトを説く。ボーダレス
     とは、誰でも、何処でも、どの端末でも、何時でもに加え、セキュリティ、
     信頼性、シームレスを含む。その実現は既存技術で可能だが、セキュリティ
   と配信と効率性に注意すべきと主張。配信とは画像データを指し、画像
     ならではの新サービスの必要を挙げる。効率性とはコンピュータ形態の
     変更時には通信機能も変化することを指摘し、通信NWの重要性を強調する。
     まとめでは、セキュリティと配信と効率性の融合によるUnified service、
   さらに、異なるクラウド間の連携による"インタークラウド"を将来の姿
   と予測していた。

[所感]
  d)Borderless Networkとは、"国境がない"等ではなく、時間、場所、通信
     環境等、あらゆるモノの違いによる垣根を全て取り払うという概念らしい。
   単一クラウドだけではなく、複数クラウドのコンテンツ融合による新たな
     サービスコンテンツ提供をインタークラウドと称している(6/9のシスコ
   ブースでの疑問解消)。今後、重要なサービスと位置付ける画像サービス
   については、「現状では複数拠点間の会議接続ぐらい」としていたが、
     マルチキャスト接続を強調していた。これはNW機器が主体のCiscoの強み
     として当然と思った。


■S-09「次世代クラウド:相互運用性の確保、高い可用性とセキュリティ、
	電力効率の向上」
      <講師:リチャード・ライナー Enomaly (Toronto, Canada)
			Chairman and CEO 
			Cloud Computing Interoperability Forum (CCIF)
			Creator and Founder>
     (15:30-16:15)	   <参加者:約600名>
[概要]
   Enomaly社はIaaSのパイオニアで市場で主導的地位にあり、カナダは
   (クラウド)技術基盤として世界第二位、国内組織がクラウド導入率67%
   の世界トップ、との紹介から始まる。成長するIaaSも現状は種々の制約
   があり、価値の付加による新世代クラウドが必要と言う。ユーザ懸念は
     セキュリティと可用性。セキュリティに対しては、"Trust Me"ではなく、
     "Trust Me, but Verify"とすべきと"検証可能なクラウド"を提案する。
     可用性に対しては、クラウド間の相互運用性が必要で、その標準化活動
   を紹介する。CCIFの300以上の会員で必要性は合意しているが、具体的
   内容合意は時期尚早の状況とし、競合や特許の問題を揚げていた。最後
   に電力効率は、企業のサーバ利用率15%に対し、IaaSのサーバ利用率50%
     超だが効率向上に余地があり、ビジネス拡大と新技術によりプロバイダ
     のメリットを期待していた。

[所感]
     カナダにおけるクラウド普及度は認識していなかったが、ビジネス的に
     成功しているからか、自信に満ちた口調の講演であった。ユーザ不安の
   セキュリティに対しては、データ保護のような技術アプローチ(は実施と
     推測)とは別の、ユーザへの検証機能を提供、という視点はSLAをさらに
     進めたサービスとして興味深い。電力効率については、クラウド環境に
   おけるインフラとリソース共有による効率性向上という当たり前の話で
   特に新規性のある内容ではなかったのが残念であった。


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6月11日(金)−基調講演/特別講演		(K:基調講演, S:特別講演)
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■K-07「NIST(米国国立標準技術研究所)のスマートグリッド活動概要
        〜スマートグリッド標準化の牽引者から〜」
    <講師:デイビッド・スー  NIST(米国国立標準技術研究所)
		Information Technology Laboratory
		Advanced Network Technologies Division Chief>
    (10:30-11:17)		<参加者:約500名>
[概要]
   Smart Gridを簡単に言えば、「電力のインフラとICTのインフラを統合」
   (Integration of Energy and ICT NetworksEnomaly)と定義し、NISTは
   標準化機関として、産業界との共通ビジョンのコーディネータと位置付
    け、既存の標準をどう活用して、機能する仕様にするか、がNISTの役割
   (米国における)と説明。日本に対しても、電力インフラは進んでいると
   認めた上で、Smart Grid化すれば、さらに便利なことが可能となるという。
     標準化活動としては以下の5分野と対象として掲げる。
	・送電と電力分配システム
	・ピーク需要対応(デマンドレスポンス)
	・電力貯蔵(ストレージ)
	・電気自動車 (PEVs:Plug-in electric vehicles)
 	・ AMI(高度メータ・インフラストラクチャ)
   その具体的推進活動は、以下の6つのPAP(Priority Action Plans:優先
     行動計画)において、16のグループで活動しているという。
   (1)メータリングシステム、
   (2)スマートグリッドによる顧客との相互連携強化、
     (3)スマートグリッドコミュニケーション、
     (4)送配電システム、
     (5)新しいスマートグリッド技術、
     (6)スマートグリッドに対するサイバーセキュリティ
   Smart Gridは米国発祥と思われているかもしれないが、アメリカ中心と
   ならないよう心がけており、米標準化団体だけでなく、Internet同様
   国際的団体(IEEE等)とも連携している。特定企業や組織による主導では
   なく、各グループには海外企業も参加しており、日本からはNTTも参加
   している。NIST所長が来週、日韓政府首脳と会談予定でもある。
    当初は米国フォーカスだったが、この活動を世界に広げて行きたい。

[所感]
     K-01(Google 村上会長)と同様に日本の電力網の"Smart"性は認めている
     点は、米国人(?)でも同じと認識した。Smart Gridはオープンな活動であり、
     米国企業だけでなく、海外企業にも参加を呼び掛けていると、Internetを
     例としてしきりに強調していた。Internetと同様にならば、開かれては
    いるが、米国主導の影響力、一種の経済政策、また、情報網の把握・網羅
    と利用方法によっては安全保障面での国家的戦略の意図もあるのでは?と
     疑うのは穿がちすぎだろうか。久米明氏のような風貌とソフトな語り口で
   理解しやすい講演であったが、NIST活動紹介が主旨であり、技術詳細や方
   向性等の細部の情報を得られなかったことは残念であった。


■S-13「クラウド時代に向けた次世代ネットワーク」
      <講師:デイビッド・イェン	Juniper Networks, Inc.
		Fabric and Switching Technologies Business Group
		Executive Vice President & General Manager>
     (14:15-15:00)		<参加者:約600名>
[概要]
   そのメインフレームからクラウドまでの流れを振返り、クラウド・コンピ
     ューティングはNW上で提供する「クラウドサービス」と動的にリソースプ
     ールを共有する「クラウドインフラ」と定義する。パフォーマンスとスケ
     ーラビリティの利便性とコスト削減の経済性という相反のアイテムがクラ
     ウドにより支援できるか?が主題。クラウド対応のデータセンタは、ポリシ
     ーにおける「共有」と「セキュリティ」、及びインフラにおける「簡素化」
     の3ステップから成るという。"ツールの改善","自動化"及び"複雑さの解消"
   による「簡素化」の実現により、利便性及びコスト削減のいずれに対して
    クラウドによる支援は可能と主張する。

[所感]
     講演タイトルから、クラウドプロバイダとエンドユーザ間の通信に関する
    次世代ネットワークの内容を期待したが、クラウドのデータセンター内の
     コアネットワークがテーマ。"複雑さの解消"は、アクセス(回線),アグリ
   ゲ−ション(サーバ),コア(スイッチ)の3層の現状を、コアとアグリゲー
     ションを統合コアにマージして、さらにそれをアクセスにマージして、
     単一ファブリック化するという。実際に単一化がうまくいくのか疑問に感
   じる。セキュリティに関しては、コアスイッチとの連携が図式化されたのみ
     で詳細な考えは示されなかった。


■S-16「次世代データセンターとクラウドコンピューティングの
	完全セキュリティ化を実現する”Secure Network Fabric"」
      <講師:ジェームス・コリンジ, CISSP
		HP Network Security Product Group (TippingPoint)
		Product Line Strategy>
     (15:30-16:01)		<参加者:約250~300名>
[概要]
   データセンターのサーバの50%が、2012年までには仮想化される、さらに
    その内、60%は物理サーバと比較してセキュリティ度は低くなる、と予測
   する。そのデメリットはあるが、コスト削減・ディザスタリカバリ・リソ
   ース共有化(による効率化?)の為、仮想化は必要という。セキュリティ対策
     として、以下の3つを提案。
     ・ハードウェアアプローチ:VLAN単位で外部IPSでtraffic検証
   ・完全仮想化アプローチ:VLAN単位で仮想IPS/FWでtraffic検証
   ・上記のハイブリッド型
     どれを採用するかは、データやAPLが異なるので、ユーザ環境依存という。
   米国でも、近年は企業の予算が頭打ちとなり、効率性が求められている、
   即ち、性能よりもコスト、レスポンス重視である。上記3案のブレンドで
     セキュリティ対策が取られるだろう、と予測していた。

[所感]
     データセンターにおけるセキュリティ対策であるが、(実及び仮想)IPSや
     FWによるパケット検証であり、根本的なデータ保護ではなく、対処療法的
   な提案であった。講演概要に「最先端のセキュリティ研究報告」とあり、
   最も期待した講演であったが、少々肩すかしの内容であった。データセンタ
   内のデータの流れを図式化するなど説明は判り易かった。


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6月9日(水)〜6月11日(金)−ブース訪問 (報告レベルにないブースは割愛)
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【6月9日(水)】
 [Interop Tokyo 2010]
□ シスコシステムズ合同会社:
   #ボーダレスネットワーク
   ・いつでも、どこでも、誰とでも。どんなデバイスでも。
  ・世界の境界をなくし、セキュアに活用
   ・グリーン化の促進、GREEN OF IT、GREEN BY IT
     Q.インタークラウドとは?
     A.プライベート、ハイブリットのクラウドから発展し、
       複数クラウドや外部クラウドと連携した形態、と推測
     Q.クラウドセキュリティのキー技術はVPNか?
     A.VPN経由で接続し、さらに、社内NWと同様のIDS/IPS、フィルタリング
      及びウイルス検知システムと連携して実現

□ NTTコミュニケーションズ(株):
   #Feature of the Internet -クラウド時代のインターネット-
    (慶応大 環境情報学部 村井純教授)
    [概要]
     Internetの歴史を振り返り、L3レベルでは全世界で接続する、ことが重要
     であり、それにフィルタリング・セキュリティ・フェア*を加えていく。
     今後は、セキュリティ・プライバシや信頼性のポリシーの課題と、マルチ
     デバイス・センサ・リアルタイム性等の技術課題に対応する必要がある。
     ポリシー課題は標準化で、技術課題は技術で解決できる。クラウドNW技術
    とう分散技術がインタネットに入ってくる。強いコンピューティング、
     強いネットワークそして良いユーザが日本にはある。よって、実現に向け
   責任と役割を果たしていくべき。
   #ネットワーク統合運用ソリューション maiko SAMURAI
   ・イベント発生を検知してNWの情報収集・切り分け・対処を自動実行
   ・攻撃トラフィックの自動検出・防御やトラフィックの可視化を実現
     Q.検知方法はシグニチャ方式? アノマリ方式?
     A.bps/pps単位で各SRC/DST IP毎に2週間、パケット動作を学習し、
       増加方向にパケット数が閾値以上に振れた場合に異常通知する
     Q.閾値の定義方法は? フェール・ポジティブの割合は?
     A.管理者マター。F・Pの割合も管理者設定閾値に依存。
     Q.DoS/DDoS検知が中心か?
     A.Yes. 本システムだけで全ての攻撃検知とは考えていない

□ NICT:
   #インシデント分析センター nicter
   ・マクロ解析システム:ダークネット(未使用IPアドレス)トラフィック解析
   ・ミクロ解析システム:完全隔離型マルウェア自動解析
   ・相関分析システウ:マクロ(現象)とミクロ(原因)の相関分析
     Q.マクロ解析の変化点検出やインシデント予測には、データマイニング利用?
     A.Yes. 但し、リアルタイム表示には未対応。1分間のタイムラグあるため。
     Q.マイニング手法によっては、検知結果が変わるのでは?
     A.Yes. 相関分析システムにおいて、パラメタチューニングを実施している。
     Q.6月初の報道は何が従来との差分か?
     A.従来の事後分析に対し、リアルタイムな分析結果の表示。

□ F5ネットワークスジャパン(株):
  #BIG-IP Local Traffic Manager
   ・ITインフラ全体を最適化するアプリケーション・デリバリ・コントローラ
     Q.具体的にどうやって最適化するのか?
     A.SSL暗号の暗号化/復号をサーバに代わり、BIG-IPが対応。
       また、TCP/IPヘッダの処理も代行し、サーバは本来の処理に専念可能

[所感]
   a)Interopでは、"クラウドコンピューティング"が中心。
     昨年は仮想化やVM技術が中心であったが、VPN利用したセキュリティや
     分散化によるディザスターリカバリを強調するブースが多く感じる。
     実現技術から、以下に利用するか、ユーザ利点に主題が移りつつある。
   b)講演会場やブースのプレゼンの聴講者でiPadの利用者を散見する。
     5月の情報セキュリティEXPO.では、発売前でもあり利用者は皆無に対し、
   ある講演で周りの10人に一人はいないが、20人に一人程度は所有して
   いる(ように見えた) 。講演者の一人、夏野教授も「iPadは、使い出したら、
   手放せない」と言っておられたが、その手の興味を有する人々の集まり
   とは言え、関心の高さだけでなく、普及の速さに驚く。
   c)一部のブースでは、プレゼン内容について質問しても、言葉の存在さえ
     説明員に認識されていない。展示内容以前の問題で、質の低下を感じる。


【6月10日(木)】
 [Interop Tokyo 2010]
□ au - KDDI(株):
  #auのネット接続サービス
   ・IP電話&ADSLコース/ダイヤルアップサービス/光ファイバコース
     Q.ソフトバンクはiPhoneを用いたホワイトクラウドを提案しているが
       auではクラウド連携サービスは予定しているか?
     A.Microsoft My Phoneを提供している(2010/6発売予定の東芝:IS02
       が対応)
       ref. http://sn1-p3.myphone.microsoft.com/mkweb/Start.po?mkt=ja-JP

□ emprix(エンピレックス)(株)
   # HammerEdge:200,000セッション以上同時のTCP/UDP各種過負荷試験装置
   # Mu-8000:脆弱性検査、攻撃検証用サービスアナライザ
     Q.HammerEdgeで提供するのは過負荷試験のみ?セキュリティ検証は?
     A.別装置のMu-8000がDDoS攻撃シミュレートや既存攻撃シナリオによる
       攻撃、レポート作成機能を提供する。
     Q.Gumpler攻撃等も可能か?
   A.Gumplerは特定パターン攻撃ではないが、不正機能ダウンロード等の
       動きは攻撃シナリオで疑似可能。

□ チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(株):
   #VPN-1 VE
   ・仮想化システムのための包括的なセキュリティ機能を提供
   ・IPS:シグニチャとプルトコル・アノマリに基づき、侵入検知・防御発生
     Q.情報セキュリティEXPO.でシグニチャとアノマリの併用は
     某社のみ、と主張するブースがあったが、御社も実現?
     A.脅威の内容により、適切な検知方法を用いて、シグニチャ、
       プロトコル・アノマリ、FWの3つでで包括的に検知している。
      シグニチャについては、世界4拠点に加え、第三者のリサーチセンタ
       の情報も加えて、精度向上を図っている。

□ Raritan(株):
   #Power IQ
   ・PDU(Power Delivery Unit)の統合管理。エネルギーの使用効率改善を
     促す電源管理ソリューション。他社/サードパーティ製PDUにも対応
     Q.PDUとは?
     A.電源ユニットにソケット単位で電源利用情報を管理、通知する装置
     Q.部門や場所毎の電源利用情報の見える化が可能ならば、固定端末の
       利用者やカードIDと連携することで個人の電力消費量管理も可能か?
     A.カードIDとの連携は未検討だが、各電源利用情報と個人特定情報を
       設定しておくことで、固定的な電源の利用状況は現状でも管理可能。

□ YAMAHA(株)/住商情報システム(株):
   #ブロードバンドルータ X10
   ・オールギガ対応、モバイルルータ機能、ひかり電話対応
   ・電源断時にログ情報をRAMに自動記録
     Q.ルータにおいてログは重要と考えるが、従来機能でログ保存機能は?
     A.数ポートの小規模ルータなのでHardDiskがない。既存では、他サーバ
       へのログ転送が主体。電源断じはRAMアクセスできず消去されていた。
       これを改善した。

□ 富士通(株):
   #仮想ネットワークを実現する先進ソフトウェア処理技術(参考出展)
   ・NW上を流れるセンサー情報や画像・音声等の様々なデータをフロー単位
   やポリシーベースに制御可能なNWのソフトウェア処理技術
     Q.VPNの仮想NWとの違いは?
     A.L3に限定することなく、パケット内の特定パターンを認識することに
       より、L3の各種プルトコルやアプリケーション単位でのVPNを実現可能。
     Q.研究段階というが、商品化予定は?
     A.富士通単独ではなく、NICT、NECや日立と共同の国家プロジェクト。
       国際会議での研究提案段階であり、数年以上はかかる見込み。

[所感]
   d)emprix社のMu-8000は、通信装置で言えばプロトコルエミュレータで、
     セキュリティ機器や機能の検証の為のセキュリティ攻撃エミュレータで
     ある。検知モデルを攻撃データで検証よりも、クラウドサービスで標準
     攻撃モデルをサービス提供し、それが一般化すれば、検証レベル及び
     評価結果レベルの統一指標となる可能性もあると考える。
   e)auの"クラウドサービス"(?)のMy Phoneはauではなく、Microsoftの
     サービスであり、ソフトバンクのホワイトクラウドとは別レベルの内容
     である。ただ、従来、各社横並び・追随で差別化が無くなりつつあるこ
     とを考えると、個性・特徴とも言え、画一性がなくなる端緒かもしれない。
  f)富士通の先進ソフトウェア処理技術は、東大)中尾彰宏教授の指揮の下、
     NICTやNEC等との共同プロジェクトで、日本発の技術開発・提案が背景と
     聞く。国際会議でも議論の最中だそうで、日本にも活力あることが見え
     心強く感じた。
   g)一般展示の2日目であるが、昨日よりも見学者が増えている。各ブースの
     プレゼンでは立ち見も多く、特にクラウドへの関心が高いようである。


【6月11日(金)】
 [Interop Tokyo 2010]
□ アラクサラネットワークス(株)
  #ギャランティード・ネットワーク
   ・高信頼性、セキュリティ、仮想化、省エネ及び
     運用スステム化と超高速モニタリングにより実現するコンセプト
     Q.NW仮想化の技術的方法は?
     A.NWパーティションによる識別。
    具体的には、VLAN及びVRF(Virtual Routing forwarding)。
   Q.セキュリティの技術的方法は?
   A.RADIUS認証

□ NTTAT(アドバンステクノロジ)(株)
   # ネットワーク製品開発支援サービス・検証/運用自動化ソリューション
   ・自動化対象項目の抽出
   ・試験シーケンス分析/試験結果の合否設計
   ・スピーディな自動化シナリオ作成(by iTest:米Fanfare社製)
   ・繰り返し試験や高難易度試験を対象
   ※リグレッション試験やファイル出荷前の基本機能確認など確立した手順と
     結果判定の試験に最適。新規開発機能のデバックには不向き。

 [DSJ 2010]
□ (株)オーエス
  #3D Para Vision
   ・3Dディスプレイ、眼鏡不要の裸眼3D(実際に眼鏡なしで立体に見えた!)
   ・Parallax Barrier Technology
     Q.家電の3DのTVの技術との違いは?
     A.TVは左右の眼鏡に向けて画像情報のタイミングをずらして送信。
       本製品では、スリットを有するシートで左右向けの情報を5分割して送信。
   Q.見る角度によって、滲んで見えるのは?
   A.分割情報が場所によっては立体的に見えないパターンとなる。改善対象。

□ Microsoft(株)/インテル(株)
  #大型ディスプレイ搭載の自販機コンセプトモデル
   ・自販機とデジタルサイネージを高次元で融合したコンセプトモデル
   ・HD動画やFlashにようる広告コンテンツを表示
  ・センサーにより、視聴者情報(性別、年齢)を判別した商品表示が可能
  #Intelのインテリジェントなデジタルサイネージコンセプトモデル
   ・Microsoft Windows7ベースのWindows Embeddedを使用
  ・センサーにより、視聴者情報(性別、年齢)を判別した商品表示が可能
  ・透明ディスプレイを通して、店内案内やデジタル試着も可能
     ref. http://www.intel.com/go/digitalsignage
     Q.Microsoftの従来顧客は、個人や企業だが、一般消費者も加えるのか?
     A.従来OS技術の応用で組込み用のWindows Embeddedある。
    その適用先の一例が本製品。

□ 大日本印刷(株)
  #裸眼3D映像ソリューション(オーエス社よりも、ややクリアに見えた!)
     Q.オーエス社の裸眼3Dと技術的に何が違うのか?
     A.画像情報を左右の眼用に分割送信は同じ。但し、加工シートをパネル
       内部ではなく、パネル表面に加工しており、コスト的に安価。
     Q.家電の3Dのように、一般家庭向けへの提供も可能か?
       技術的には可能だが、TV局の電波にも処理が必要の為、単独では困難。

□ オリンパス(株)
  #サイネージクリエーター
   ・デジタルサイネージ向け、コンテンツ制作・配信のトータル・ソリューション
   ・PowerPointの編集機能。写真・イラスト素材提供。
   ・アニメーションの動画化やフラッシュ変換
     Q.クライアントあたりの価格は?
     A.30万円/クライアント。配信先は12万円/月

□ シャープ(株)
  #マルチディスプレイシステム:インフォメーションディスプレイ
   ・60型の液晶パネルを最大25枚で拡大表示機能
   ・システム・フレーム幅(パネル間の隙間) 6.5mm
  ※従来液晶よりも解像度を高め、床面や側面、天井にも配置することで
     ゲームやアミューズメントへの活用を提案。NHKハイビジョン映像を
     用いたデモは微細箇所まで綺麗に表示され、リアルな迫力がある。


[所感]
   h)デジタルサイネージは単に大型の屋外画像装置というだけではない。
     裸眼3D、タッチパネルによる双方向性、センサー連携による顧客個別の
     広告表示、および大画面化やフォトフレーム連携等、さらに人目を引き、
     かつ個別対応と進化している。裸眼3Dと透過パネル上でのデジタル試着
     はインパクトがある。
  i)裸眼3DはLED 3Dも含め、4,5社が出展しており、いずれも多くの見学者
     を集めていた。また、シャープのディスプレイも大きさと高解像度の
   迫力で盛況。
  j)最終日となり、さらに見学者が多い。今日は、学生も多く、一般市民も
   散見された。昨年よりも混雑を感じる。景気が上向きなのかもしれない。


[全体所感]
   k) 基調講演は800名超、特別講演(会場スペースが基調講演の半分)も400名
   前後と盛況で、展示会場は通路に人が溢れていた。クラウドコンピュー
      ティング及びデジタルサーネージへの関心の高さが感じられた。
   l) クラウドに関しては、サービス利用によるコスト削減、効率化に加え、
      分散化による災害復旧(ディザスタリカバリ)対応と可用性をメリットと
   して掲げる講演、ブースプレゼンが多かった。セキュリティに関しては、
   認証やVPN化、外部接続時の社内ネットワーク経由の必須化等、既存技術
   の拡張による対応が多く、クラウドならではのセキュリティ対策や新技術
   は、未だ見当たらなかった。今後の研究、開発対象になりうると感じる。
   m) デジタルサイネージが屋外の広告スポット的な昨年のレベルから進化して
   いる。キー技術としては、裸眼3D/対話型情報提供/高精度大画面化、
   である。特に、裸眼3D(複数社展示)、及び、MS社&Intel社による現実世界
   と透明パネルを組合せた対話型の”デジタルサイネージプラットフォーム”
   は未来的である。
  n) 参加出張の機会を与えていただいたことに、感謝致します。


以上
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