平成1722

学会・講演会等参加報告

参加者名

西竜三、高橋健一、上繁義史(投稿のみ)

所属

2研究室

学会・講演会等名称

2005年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2005

日時

平成17125日(火)〜平成17128日(金)

場所

シーサイドホテル舞子ビラ神戸(兵庫県神戸市垂水区舞子町18-11

参加目的

目的

私たち2研究室は様々なネットワークのセキュリティについて研究しています.主な研究対象はホームネットワーク,ユビキタス環境,本人認証基盤のネットワークです.今回のシンポジウムでは第2研究室の成果発表と情報セキュリティ技術全般の最新研究動向の調査を目的に参加いたしました.(このシンポジウムでは20044月以降の研究成果をまとめて,4本投稿しました.)

暗号と情報セキュリティシンポジウムとは

2005年暗号と情報セキュリティシンポジウムは、暗号と情報セキュリティ技術に関する最新の研究成果を発表と情報交換の場であり、セキュリティ分野としては国内最大規模の学会です。本シンポジウムは1984年より毎年開催されています.

報告事項

u      全体概要

本シンポジウムには300以上の最新の研究成果論文が投稿されました。シンポジウムは、6つのセッション会場に分かれて、4日間行われました。参加者数は600人以上で、海外からの参加者も15名あり、非常に大きなシンポジウムとなりました。

以下で私たちが発表した論文の概要と,私たちの研究に参考となる発表についてご報告いたします.また,それぞれのセッションのプログラムについては、本報告の最後に添付します。

この写真は会場のシーサイドホテル舞子ビラ神戸の概観です。ホテルの南側窓からの景色は、瀬戸内海だけでなく、明石海峡大橋が視界一杯の絶景でした。周りは公園や閑静な住宅地です。


u      発表概要報告

参加者らは本シンポジウムに下記4件の論文を投稿し研究成果を会議で発表しました。発表は3日目(127日)と4日目(128日)のセッションにて行われました.それぞれの発表内容について報告します。

 

v        「電子透かし技術の研究動向」、

上繁義史、櫻井幸一(代理発表:西竜三

発表セッション:3日目、3C1 電子透かし-3

以下の3つの国際会議への参加報告を通して、電子透かし技術の研究動向について紹介しました。IWDW2004では、画像符号化に関する電子透かし技術について発表が主で、STEG04では、画像に関するステガノグラフィの発表が主でした。一方、IH2004ではこれらの他、匿名通信等も含め非常に幅広い分野から発表がありました。ただ、ソフトウェア等の難読化を中心的に扱う国際会議が現状ではないことを課題として挙げました。

    The 6th International Workshop on Information Hiding (IH2004)

        開催期間 2004523日〜25      開催地 トロント市 カナダ

   3rd International Workshop on Digital Watermarking (IWDW2004)  

        開催期間  20041030111    開催地 ソウル市  カナダ          

  3rd Pacific Rim Workshop on Digital Steganography (STEG04)

    開催期間 20041117日、18日     開催地 福岡市  日本  

 

v        「鍵更新情報の所要伝送量を低減するための効率的グループ鍵配送方式」、

西竜三、櫻井幸一

発表セッション:3日目、3D2 鍵共有-2

有料放送等のようにグループ鍵を使ったシステムにおいては、一般に、ネットワークに接続されている機器の離脱や新たな参加の度に、ネットワークに接続されている全ての機器のグループ鍵情報を更新する必要があります。そこで、各機器の一回の動作期間の長短によってネットワークに接続されている機器をサブグループ化することで、一回のネットワーク接続期間の長いグループの鍵更新メッセージにはFEC(誤り訂正:Forward Error Correction)とARQ(自動再送要求:Automatic Repeat reQuest)を併用することで鍵配送を効率化しようとするアプローチがR.Molvaらから提案されています。彼らの提案では、伝送路品質が良好な場合には、その効果が小さく、帯域幅のオーバーヘッドが負荷となるという問題があります。そこで本発表では、FECARQを用いることなく、鍵メッセージをM-ary符号化して、これを非鍵メッセージに重畳して伝送することで、効率的なグループ鍵配送方式を提案しました。

 

v        「テンプレート証明書を用いたバイオメトリクス認証プロトコルの提案とメッセージ漏洩に対する安全性」、

上繁義史、櫻井幸一(代理発表:高橋健一

発表セッション:3日目、3A2 バイオメトリクス-4

   インターネットバンキング、電子政府など、インターネットを介して本人認証を必要とするサービスが検討されています。現在提唱されている公開鍵基盤(PKI)ではそれが十分には行えません。そこで、私達はバイオメトリクス(生体)認証とPKIを組み合わせた技術を研究しています。これまでの研究で私たちはバイオメトリクス認証の照合に用いるテンプレート情報を利用者の所持するスマートカード(ICカード等)に格納することを前提として、テンプレート証明書を提案しました。テンプレート証明書では、所有者のスマートカードのID以外に所有者を特定する情報が含まれていないという特徴があり、個人情報保護を考慮した内容となっています。この発表では、テンプレート証明書を用いた安全なバイオメトリクス認証プロトコル(通信の手順)について提案しました。

 

v        「サービスの柔軟な利用と個人情報の保護を実現するエージェントベースフレームワーク」

高橋健一、雨宮聡史、櫻井幸一、雨宮真人

発表セッション:4日目、4A1 コンテンツ保護

携帯電話や無線LAN機器といった無線通信端末が普及しつつあります。このような環境の中、いつでも、どこでも、だれもが、簡単に特別な注意を払うことなく、ネットワークに接続し、欲しい情報を得ることや様々なサービスを受けることができるようになると思われます。このことを実現するためには、各個人の無線通信端末が得られる情報や利用できるサービスを自動的に認識して、ユーザが手軽にこれらの情報やサービスを利用できるようになる必要があります。ここで、これらの情報やサービスは、無償で誰にでも提供されるものばかりではなく、情報やサービスと引き換えになんらかの個人情報が求められることが多くあります。しかし、最近、個人情報の漏洩で騒がれているように、各個人の個人情報は守っていかなければなりません。このため、各個人の個人情報を状況に応じて適切に保護しつつ、様々な情報やサービスに対応できるような仕組みが必要となってきます。そこで、本発表ではこのような仕組みを実現するためのモデルについて提案しました。

 

u      聴講概要報告

本シンポジウムで発表された分野は以下の通りです.

分野

概要

暗号理論と暗号化アルゴリズム

暗号の数学,コンピュータで暗号を作る方法

暗号プロトコル

暗号通信のルール作り

電子透かし,ステガノグラフィ

画像やテキストデータに秘密情報を隠す技術

電子投票

コンピュータを使って投票を行う技術

バイオメトリクス

指紋,虹彩,静脈などを用いた認証技術

ネットワークセキュリティ

インターネットやLANの環境で情報を盗聴されたり改ざんされたりしないための技術

RFIDのセキュリティ

RFタグの通信から情報を漏洩させないための技術

電子署名

電子署名法の基礎になっている技術

電子メールセキュリティ

迷惑メールの防止技術

ソフトウェア,データ,コンテンツ保護

改ざんや不正コピーを防止するための技術

Webセキュリティ

Webページを使った不正なアクセスやコンピュータ使用を防止する技術

ソフトウェア,ハードウェアの実装

製品の試作と特性の検証

セキュリティ上の脅威モデル

安全性を解析するための理論的なモデル

リスク評価・監査

セキュリティ上のリスクとそれによる被害の程度を具体的に評価,監査するための考え方

 

    プログラム

125

会場

13001400

14401620

16351815

 

A

招待講演

秘密分散

電子メールセキュリティ

 

B

ステガノグラフィ

画像認証

 

C

セキュアOS

無線ネットワークセキュリティ

 

D

 

認証

鍵管理

 

E

 

暗号実装と安全性

ハードウェア実装

 

F

 

暗号理論1

暗号理論2

 

 

126

会場

09001040

10551235

14101550

16051745

A

バイオメトリクス1

バイオメトリクス2

バイオメトリクス招待講演

B

ストリーム暗号

ハッシュ関数

ネットワークセキュリティ

セキュリティポリシ・ユビキタス

C

コンテンツセキュリティ1

コンテンツセキュリティ2

電子透かし1

電子透かし2

D

サイドチャネル攻撃1

サイドチャネル攻撃2

PKI(公開鍵基盤)

電子投票

E

公開鍵暗号1

署名の安全性

楕円曲線暗号1

超楕円曲線暗号

F

量子セキュリティ1

量子セキュリティ2

暗号基礎理論・対話証明

格子問題

 

127

会場

09001040

10551235

14101550

16051745

A

バイオメトリクス3

バイオメトリクス4

脆弱性評価・監査

リスクマネージメント

B

Webセキュリティ1

不正アクセス解析実験環境

広域ネットワークセキュリティ1

広域ネットワークセキュリティ2

C

電子透かし3

ネットワークプロトコル

RFIDセキュリティ1

RFIDセキュリティ2

D

鍵共有1

鍵共有2

暗号解析・数論応用

楕円曲線暗号2

E

公開鍵暗号計算手法

素因数分解

署名1

署名2

F

放送用暗号・グループ署名

匿名通信

暗号プロトコル

ソフトウェア実装

 

128

会場

09001040

10551235

 

 

A

コンテンツ保護

データ保護

 

 

B

エンドポイントセキュリティ1

エンドポイントセキュリティ2P2P

 

 

C

擬似乱数生成

Webセキュリティ2・ソフトウェア保護

 

 

D

リング署名

共通鍵暗号

 

 

E

サイドチャネル攻撃3

サイドチャネル攻撃4

 

 

F

公開鍵暗号2

ID暗号